中編を含む短編小説集。

「大洪水の小さな家」
「死体と、」
「慾望」
「子供たち怒る怒る怒る」
「生まれてきてくれてありがとう!」
「リカちゃん人間」
の6つを収録。

特に印象に残ったのは「死体と、」そして表題にもなっている「子供たち怒る怒る怒る」だろう。

「死体と、」の文章を見ると佐藤が成長していることが直ぐにわかると思う。
以前までは「舞城よりも突き抜けていない」等と言われていた(僕自身も言っていた)が、この文章を見る限りでは、舞城や西尾などの、所謂「メフィスト作家」達のどれとも違う独特の世界観を構築していることは明らかであろう。

単純に文章の質が上がっただけではなく、独自のテイストを手に入れた佐藤さん。
これはひょっとしてかなり恐ろしいのでは?

解説にも書かれていたのでアナーキスト云々については書かないが、社会に認めてもらえない子供たちがいずれ「慾望」で登場したような刹那的快楽主義のテロリストになってしまうのかと思うと恐ろしい。

そして実際に昨今、子供たちの犯罪が増えているという報道もよく聞く。

僕はこれらの報道が子供たちに「こんなcoolなことがあるんだZE」とより悪い方向に導いてる気がする。
報道するなとは言わないが、電波に乗せて公にする以上は責任を持った報道をして欲しいものだ。

うわっ話がそれました。

短編なので区切りがつけやすく読みやすいと感じました。
仕事の合間合間などに是非読んでみてください。

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